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シーバー病(踵骨骨端症)について
かずあき鍼灸整骨院です。
今回はシーバー病(セーバー病)について書いていきたいと思います。
シーバー病とはいわゆる骨端症といわれる成長痛であり、アキレス腱が踵の軟骨部分を引っ張ることで、炎症や痛みが起きます。
シーバー病は、サッカーなどスポーツをしている子に多い印象があります。
ちなみに、子供の骨は完全に骨化しておらず軟骨の部分が存在しています。
筋肉の緊張が続いていると、その軟骨部分に引っ張られる力が働き、骨が引きはがされる状態になります。
それにより炎症や痛みがおきるものが骨端症といわれています。
レントゲンを撮るとわかりますが、子供の骨は全部が骨ではなく、軟骨の部分があるので隙間が写ります。
(解剖学講義 改訂3版 原著:伊藤 隆 南山堂)
大人になるにつれてその軟骨が骨に置き換わり、骨の成長が止まります。(骨端線閉鎖といいます)
骨端線閉鎖は第二次成長期の終わり頃と言われています。
ちなみに、オスグッド・シュラッター病(脛骨粗面骨端症)や有痛性外脛骨(舟状骨部の炎症)も骨端症に含まれます。
痛める場所は違えど、シーバー病と同じように緊張した筋肉・腱に引っ張られて発生します。
骨端症で問題になるのは、ピンピンに緊張した筋肉や腱です。
これが柔らかくならないと、なかなか良くなりません。
スポーツなどで過度な負担がかかっている場合、休息をすることも大事だと思います。
しかし、正しい治療をしていなければ、休息して少し落ち着いていても復帰してまた同じように負担がかかると再発をしてしまいます。
ではストレッチやマッサージで緊張した筋肉をほぐすのはどうか?
これもその場しのぎであり、根本的な解決にはなりません。
この場合、筋肉が緊張している原因は、筋肉の起始停止の距離が変わっている事です。
起始停止とは、筋肉が骨に付着している部分のことです。
筋肉は二つの骨にまたがり、収縮することで関節を動かすはたらきを持っています。
(解剖学講義 改訂3版 原著:伊藤 隆 南山堂)
ちなみに、筋肉が骨に付くときは腱に移行して引っ付きます。
筋肉は筋膜という膜に包まれています。
簡単に例えると、キャンディーと包み紙のようなイメージです。(キャンディーが筋肉で、包み紙が筋膜)
筋膜の包み紙がくるくるに捻じられて腱になります。(細かく言えば膜は筋肉の中にも入り込んでいますが)
(ボディーナビゲーションムーブメント 著:Andrew Biel 医道の日本社 )
先ほど、筋肉が硬くなる原因は起始停止の位置関係が変わることと説明しました。
どういうことかと申しますと、関節で骨がズレ(ミリ単位で)ているという事です。
厳密には違うのですが、亜脱臼のような状態です。
関節で骨がズレてしまうと、そのままでロックしてしまいます。(関節内は陰圧であり骨同士は引き付けあっているからです)
これが、いわゆる骨格の歪みというものです。
私の治療経験上、シーバー病の場合も骨盤や下肢骨格の歪みがほとんどでした。
物理的な負担により仙腸関節は変位しようとする
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ 脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
原因である骨格の歪みを矯正することで、筋肉を直接ほぐすことは一切せずとも勝手に柔らかくなっていきます。
反対に、骨格の歪みを治さずに筋肉や腱をストレッチ・マッサージ・鍼・電気治療をしても、負担をかけるとすぐにまた緊張して再発してしまいます。
ちなみに骨端症は、成長に伴い軟骨が骨に置き換われば、軟骨部分が剥がれる心配はなくなります。
しかし、骨格の歪みが取り除かれていなければ、筋肉や腱の緊張状態は変わらずあります。
骨端症の心配はなくなっても、アキレス腱の炎症やハムストリングスの肉離れなどが変わりに問題として出てきます。
このように、骨格の治療は早期改善や根本的な解決にとても重要になります。
骨端症の場合、骨が筋肉や腱に引っ張られる原因が潜んでいます。
その原因を取り除くことで、早期に骨端症の問題を解決することが可能です。
当院のパーマー系カイロプラクティックでは、骨盤の歪みや下肢骨格の歪みを矯正することが可能です。
※関節の問題は、関節の治療により改善します。
・関節の治療の必要性についてはこちらに書いております。
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