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2023-05-24 18:10:00

骨盤は歪む?歪まない?

かずあき鍼灸整骨院です。

 

 

骨盤について書きたいと思います。

 

 

 

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巷でよく、「骨盤の歪み」や「骨盤矯正」という言葉を耳にします。

 

 

骨盤は本当に歪むのでしょうか?

 

 

私の意見といたしましては、骨盤は歪みます。1㎜、2㎜ですが確実にズレは存在しています。

 

 

ご存じない方も多いと思いますが、治療や医療の業界において骨盤が歪むか歪まないかは、昔からずっと議論されている問題なんです。

 

 

ちなみに、ここでいう「骨盤」とは、仙腸関節のことを指すのですが、関節というだけあって数ミリですが可動性があります。(この部分に関してはどなたも異論はないと思います。)

 

 

 

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仙腸関節の関節面 (左:腸骨 右:仙骨)

(カパンジー機能解剖学 Ⅲ 脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)

 

 

 

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仙腸関節を上から見た図 

(仙腸関節の痛み 診断のつかない腰痛 村上 栄一 著 南江堂)

 

 

 

そもそも、カイロプラクティックのテクニックであるガンステッドテクニックでは、土台となる骨盤(仙腸関節)から背骨にかけてのズレを見つけてそれを矯正により改善させる治療法です。

 

 

骨盤はズレるという大前提のもとに成り立っているテクニックなのです。

 

 

 

しかし、なぜ骨盤が「歪む」のか「歪まない」のかの議論が起きているのでしょうか?

 

 

 

私は、共通言語がないことが原因だと思っています。

 

 

共通言語は「触診」だと考えています。

 

 

カイロプラクティックにおいて仙腸関節の動きを確認するときは、モーションパルペーション(動的触診)という検査を行います。

 

 

一つの骨に触れておき、動かしながら「関節の遊び」の部分の繊細な数ミリの動きを確認していきます。

 

 

こちらが微妙に動きを誘導しながら、腸骨や仙骨の可動性を見極めていきます。

 

 

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これがとても難しくすぐには習得できません。何年も意識して触診の練習をしていないと骨盤のズレを見分けることは不可能です。

  

 

(※触診は簡単ではありません。私も最初は仙腸関節のズレを見分けられるのかと半信半疑でした。しかし、鉄工所の方が1ミリの100分の1⦅10ミクロン⦆の金属表面の凹凸を見分けられるのと同じで、鍛錬すれば可能になります。)

 

 

例えば、人間に変わって機械などで触診と同じことができるようになれば、それが共通言語になりうると思うのですが、今のところ存在しません。

 

 

他にもズレの見極めには、自動運動といい本人にも関節を動かしてもらい、触診とその可動域制限が一致しているかなども見ていきます。

 

 

また、ガンステッドテクニックにおいては、レントゲン写真を独自の読影法を用いてどのようにズレているか(変位:リスティングといいます)を分析します。

 

 

ちなみに、腸骨の歪み(変位)は8通り(片方のみで)、仙骨の歪み(変位)は6通り見分けています。

 

 

【腸骨の変位】

PI、AS、EX、IN、PI-EX、PI-IN、AS-IN、AS-EX

 

 

 

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左仙腸関節 複合的に変位する方向の可能性を示している

 

 

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ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)

 

 

 

【仙骨の変位】

P-R、P-L、PI-R、PI-L、ベースポステリア、エイペックスポステリア 

 

 

 

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仙骨P-L変位

 

 

 

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仙骨ベースポステリア変位

(ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)

 

 

 

あくまでも、仙腸関節は全身に約300は存在する関節(滑膜性・線維軟骨性・硝子軟骨性)の中の一つです。

 

 

仙腸関節に問題があれば機能改善をしなければいけませんし、問題がなければ特に治療をしなくてもいいと思います。

 

 

また、骨盤辺りが痛む(自覚症状)から問題があると決めつけません。

 

あくまでもズレがあるのか?関節の遊びがあるのか?などの他覚所見が重要になります。

 

 

 

私は、「骨盤は歪まない」と考える方の意見も理解できます。

 

 

 

これまでに、解剖実習を何回か経験し、ご献体の仙腸関節に触れてみたこともありますので、「これだけ動かなければ歪むことなんてないだろう」という考えになるのもわかります。

 

 

また、仙腸関節の動きを確認するときに、隣接する腰椎や股関節が連動して動くので、それらの動きなのか仙腸関節の動きなのかの判別がとても難しいのです。

 

 

確実に仙腸関節にだけ力を集めて、ほんの少しの関節の遊びを見極めないといけないのです。

 

 

しかし、それは不可能な事ではありません。臨床において、動的触診により仙腸関節の動きやズレを触知して、また矯正によりその機能不全を改善させていることも事実としてあります。

 

 

明らかにポストチェックの際に触診の変化を感じますし、自動運動での変化や症状の変化も感じていただいております。

 

 

 

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(ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)

 

 

 

本当に骨盤が歪むのか信じられない方は、骨盤全体が写ったレントゲン写真をご持参の上ご来院ください。

 

 

全ての方に、問題になるほどの仙腸関節の歪みがあるわけではないですが、利き手や利き足がある限り左右差は少なからず存在していると思われます。

 

 

※ちなみに世間では、仙腸関節の検査や治療をしていないのに、「骨盤矯正」と宣伝している整体院・整骨院・カイロプラクティック院などが見受けられます。

 

 

当院で行う パーマー系カイロプラクティックでは、仙腸関節の問題を見極めてそれを解決することができます!

 

 

 

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