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運動機能の衰えを感じる方は将来…!?
かずあき鍼灸整骨院です。
日常生活や運動時に、以前よりも動きにくさを感じる場合は、運動機能が衰えてきていることが考えられます。
(運動機能の衰えは20代半ばから少しずつ始まるといわれています)
身体の歪み・関節の硬さ・筋力低下などがあると、身体を動かしにくくなります。
これを言い換えますと、運動器の機能低下という状態です。
(※運動器=骨・関節・筋肉・神経などの総称)
ちなみに、ロコモティブシンドロームという言葉をご存じでしょうか?
言葉の定義といたしましては、
「立つ」「歩く」など移動するための能力が衰えた状態のこと
と言われています。
(ロコモーション locomotion=移動)
これはまさに、運動器の機能低下と同じ意味です。
※ロコモティブシンドロームの公式サイトはこちら
ロコモとは?
(日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)
ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)は、軽い方も含めると全国に約4500万人と推定されるそうです。
全人口の約1/3以上になるので、かなり多いですね…。
【簡単なロコモチェック✔】
・片脚立ち上がりテスト
反動をつけずに片脚で40cmの椅子から立ち上がれますか?
片脚で立ち上がれますか?
(日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)
※立ち上がれなければ、ロコモだといわれています。
他にも検査は色々あるので、詳しくは上記のリンクからご覧ください。
ちなみに、このロコモが今とても社会問題になっています。
ご存じの通り、我が国は未曽有の高齢化社会になっております。
膨張した介護費や医療費により、国や自治体の財政が圧迫されています。
ロコモはこの介護費や医療費に大きく関与しています。
厚労省が出しているデータによりますと、介護になる原因の第一位はこの運動器の障害と言われています。(約25%)
要支援・要介護の原因
(厚生労働省2019年国民生活基礎調査の概況より改変)
恐いことに、関節や筋肉が衰えているロコモの方は、進行すると将来介護を受けることなるかもしれません。
できることなら、最期まで人の手を借りず自分の足でトイレにも行けて、ピンピンコロリで人生を全うできれば幸せだと私は思います。
その為にも、ロコモを予防して健康を貯金しておかなければなりません。
このように、ロコモは個人の生活の質や、国の未来に大きく関係しています。
また、ロコモを防ぐためには、筋肉を維持することがとても重要だと言われています。
そのため、日常生活だけでは筋力は向上しませんから、筋トレを習慣にしていかなければなりません。
足腰を鍛える筋トレ
しかし、ここで問題があります。
背骨やその他関節の歪みがあり、関節が硬くなっている場合や、変形性の関節症の方などは、効率的に筋トレができません。
筋肉を鍛えようとしても、関節が滑らかに動かせないので、摩擦により炎症が起きて痛みが出たり、関節軟骨が更にすり減ってしまいます。
変形性膝関節症の方が、膝の筋肉を鍛えてもいっこうに膝の痛みが取れない場合など、まさにこのパターンです。
(※膝を曲げられないのに無理に動かそうとすることは、余計に関節を破綻させる行為です!)
筋力も大事ですが、まずは関節が滑らかに動かせることのほうが重要なんです。
これをモビリティファーストといいます。
(モビリティ:動き)
関節がスムーズに動く状態であれば、筋トレや有酸素運動などが安全かつ効率的に行えます。
このように段階を経て、少しづつ筋力をつけていき、ロコモを予防することが大切です。
筋トレの前にまずは痛みがなく関節がスムーズに動かせることが大切
パーマー系カイロプラクティックでは、関節の問題を解決しモビリティ(関節の動き)を改善することが可能です!
関節の問題は、筋肉の治療だけでは改善しません。
どこの関節に問題があるかを、検査や触診により見つけ出し、それを整える治療を行わない限り治ることはありません。
※関節の治療の重要性についてはこちら
今現在の身体は、今迄の習慣により作られています。
悪い使い方をしたり、正しい治療によるメンテナンスをしていなければ、良い状態は保たれていないことでしょう。
ということは、未来の身体はこれからの習慣により作られます。
5年後10年後の将来を見据えて、今からできることをしていきましょう。
運動器の機能改善は、当院にお任せください!
当院では、
- 「ロコモを予防して充実した人生を送りたい」
- 「好きな運動をいつまでも続けたい」
と思われている方々のお力になれると思います。
※ちなみに、運動(スポーツ)を楽しめる状態というのは、まずは日常生活に何不自由なく過ごせている状態でなければなりません。
日常動作で痛みなどがある状態では、安全にスポーツを行うことは難しく、続けていると更に身体の状態は悪化していきます。
腰痛について
かずあき鍼灸整骨院です。
腰痛についてお話したいと思います。
(ここでは、筋肉や関節が原因の慢性腰痛についてお話します)
腰痛と一言にいいましても種類や原因は様々です。
しかし、ひとつ言えることは「物理的に腰で身体を支えにくくなっている」ということは共通していると思います。
腰椎に構造的な破綻または、"歪み(ひずみ)" があると予想されます。
頚椎のブログの時もお話しましたが、腰椎にも元々備わっているクッション機能があります。
それが生理的弯曲といわれる腰のカーブです。
腰椎はもともと前に反っていてカーブがある
腰椎全体として前に弯曲することでバネになり、負担がかかった時に力を逃がしてくれます。
正常の腰のカーブは、半径19センチ程度の弯曲と言われています。
腰のカーブを作っているのは椎間板です。
椎間板の前方はもともと広くなっており、それを積み重ねるとカーブが作られます。
頚椎や腰椎の椎間板はもともと前方の幅が広い
中腰や丸まった姿勢が多い方は、椎間板の前方が圧迫されてどんどんへちゃげてきます。
腰痛をお持ちの多くの方は、日常生活において腰を丸めて屈んでいるのではないでしょうか。
左:正しい屈み方 右:腰を丸めた間違った屈み方
(NSCAジャパン「美しい姿勢で持ち上げよう!」リーフレット引用)
このような悪い屈み方をしていると、椎間板が圧迫されて腰のカーブが無くなり、クッション性のない腰になってしまいます。
そうなると、腰椎で負担を逃がせられなくなり、周りの筋肉や靭帯などを傷めやすくなり腰痛になってしまいます。
ちなみに、一番下の腰椎(第5腰椎)は、体重の半分の重みを支えていると言われています。
ここは背骨という柱のつけ根にあたる部分ですので、負担がかなりかかります。
椎間板ヘルニアやぎっくり腰も第5腰椎が原因のことが多いんです。
薄くなった第5腰椎椎間板
椎間板の負担を減らすためにも、腰椎ではなく股関節を曲げるように意識しないといけません。
股関節を使った屈み方を「ヒップヒンジ動作」といいます。
股関節を使った正しい屈み方であるヒップヒンジ動作
(NSCAジャパン「美しい姿勢で持ち上げよう!」リーフレット引用)
ヒップヒンジは、しっかりと腰を落とし股関節や膝を曲げた屈み方であり、 腰椎は丸まっていない動き方になります。
日頃からこのような動き方を習慣づけることで、腰痛を防ぐことができます。
また、椎間板がへたり腰のカーブが無くなること以外にも、逆に反りすぎて腰痛になる場合もあります。
いわゆる「反り腰」といわれるものです。
図のbが反り腰(弯曲が強い腰椎)
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
もともとの生まれ持った骨格も関係するのですが、どうしても腰が反りやすい方はおられます。
反り腰の原因の多くは、頚椎や胸椎など腰よりも上の部分が硬くなって身体を支えにくくなり、腰で負担を逃がさないといけなくなって反ってしまいます。
また、股関節周りの筋肉の硬さや、背筋・腹筋のアンバランスなども影響して、骨盤が前に倒れて(骨盤前傾)反り腰になるパターンもあります。
腰が反ってしまうと、椎間板よりも後ろにある「椎間関節」という部分に負担がかかってしまい、痛みになったりします。
椎間関節は背骨の後ろで連結している
(腰痛を治すからだの使い方 伊藤 和磨 著 池田書店)
腰痛について要約しますと、もともとの腰椎のカーブが正常から崩れていることが多く、カーブが無くなったり逆に反りすぎたりすることで発症していることがほとんどです。
【朝一の腰痛について 】
人の身体は、睡眠中に副交感神経(自律神経)の働きにより回復してくれます。
本来、朝起きると疲れもとれ、身体も楽になっているはずです。
それが、朝起きて「重だるさ」や「疲れ」、「痛み」などを感じるのであれば、寝ている時に回復が追いつかないくらい悪い状態であるということです。
仕事や家事などをしていて、「夕方だんだんしんどくなってくる」場合の方がまだマシです。
ちなみに朝一の腰痛についてのメカニズムをお話しします。
特に起床後2~3時間は、腰痛の方にとっては「デンジャラスタイム」と呼ばれています。
なぜなら、起床時は椎間板に水分が戻り膨らんでいるといわれます。
腰に炎症がある場合は、椎間板などが更に腫れている状態になります。
腫れて圧力が高くなると、前かがみのような椎間板が押しつぶされる負担がかかった時に、より痛みを感じることになります。
もともと椎間板は痛みを感じないはずだが…
(一生痛まない強い腰をつくる 金岡 恒治 著 高橋書店)
また、筋肉や靭帯も動き始めは固まっています。
起きて動きだしていると、重力の負担により椎間板の水分がまた抜けていき膨らみも変わってきます。
椎間板の腫れや、筋肉や靭帯の柔軟性も戻ることで痛みが軽減してくるのが特徴です。
【他の原因による腰痛 】
腰痛には重症度や緊急性が高いものも隠れていたりします。
- 内臓疾患(腎臓疾患・婦人科疾患・腹部大動脈瘤など)
- 感染(化膿性脊椎炎など)
- 骨折(椎体圧迫骨折など)
- 悪性腫瘍(脊椎腫瘍・脊髄腫瘍など)
これらは、放っておくと大変なことになりますので、病院での早期発見早期治療が必要です。
ほんの一例ですが、簡単なチェック項目を書いておきます。
●このような方は ✔
- 病院で腰痛の診察を受けたことがない
- 50代以降で長引く腰痛
- 尻もちをついてから腰が痛くなった
- 微熱が続いている
- 腰痛以外にも内臓に関係する症状がある
- 安静にしている時でも腰が痛い
- 体重減少がみられる
どれか当てはまる方は、一度病院の受診をお勧めいたします。
病院でしっかり診察も受けられて上記の疾患を除外できている場合は、運動器(筋肉や関節)の問題が考えられます。
運動器の問題は当院にお任せください!
当院のパーマー系カイロプラクティックでは、椎間板にアプローチをし、腰のカーブを改善する治療が可能です。
また、反り腰の方にも骨格・骨組みのアプローチにより対応可能です。
(残念ながら骨や軟骨自体が変形したものはもどせません…)
背骨の早期治療により、骨や軟骨が変形するのを防ぎ、痛みのない健康的なお身体を手に入れましょう!
※腰椎のカーブは、いくら筋肉の治療しても改善しません。
関節の問題は、関節の治療により改善します。
- 関節の治療の必要性についてはこちら
- ぎっくり腰についてはこちら
- 坐骨神経痛についてはこちら
頚椎について
かずあき鍼灸整骨院です。
頚椎の重要性や、慢性的に悪くなっている方の原因について書きたいと思います。
※寝違えを繰り返す方・普段から首がしんどい方・交通事故などで首を痛めている方は特にお読みください。
首のカーブが崩れている可能性があります。
G=頭の重心 O=支点 ※頭は常に前に倒れようとしている
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
いきなりですが、質問です。
Q.頭の重さは何キロでしょうか?
A.頭の重さは約5kgだと言われています。
(体重の約8% 約4~6kg)
想像してみてください。
5kgって結構重たいです。
スイカ(通常サイズ程度)やボウリングの球(約11ポンド)くらい重たいものが、小さな首の骨に支えられています。
頭はスイカくらい重たい
その頭の重みを普段は感じることはあまりないと思います。
無意識に首が頑張って支えてくれているんです。
重たい頭を支えるために、頚椎には元々備わっているクッション機能があります。
それが首のカーブです。
首や腰はもともと生理的前弯といって前カーブが存在しています。
このカーブを作っているのは、頚椎の間にある椎間板という軟骨のおかげです。
椎間板は前が厚くなっているので、それが積み重なることでカーブが作られます。
椎間板の前方が広いから前カーブになる
この前弯とよばれるカーブのおかげで、重力の負担がかかった時に頚椎全体がバネのようにしなり力を逃がしてくれます。
このバネの働きが無くなると筋肉や靭帯、軟骨の負担も増えるので、痛めやすい状況になってしまいます。
Q.では、こちらが「頚椎が悪いなぁー」と客観的に判断するのはどういう場合でしょうか?
A.基本的には、「機能的かどうか?」をみています。
(頚椎がちゃんと関節の仕事ができているかです)
※普段、首が「痛い」か「痛くない」かは客観的な目安になりません。
動きなどの「機能性」の判断が重要です。
頚椎が機能的かどうかの判断は、
①首をちゃんと動かすことができるか?
②首のカーブは保たれているか?
③頭が頚椎の真上で支えられているか?
などが基準となります。
頭が頚椎の真上で支えられているか?
(筋骨格系のキネシオロジー 監訳者 嶋田 智明 医歯薬出版株式会社)
※ちなみに、首に全く症状がない方でも首が悪い場合があります。
その場合、他の部分が首をかばって耐えていたりします。
では、どれくらい頚椎が動くのかをご自身で確認してみましょう。
【check】
- 上を向けるか?(おでこからアゴのラインが水平になるか)
- 下を向いて突っ張りがないか?
- 左右同じように向けるか?
- 左右同じように倒せるか?
※どなたかに写真を撮ってもらってもいいですし、目を閉じて動かし、止まる時の硬さの左右差を繊細に感じるようにしてみてください。
これらの動きが悪かったり左右差がある方は、頚椎の機能が悪くなっています。
頚椎の可動域
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
Q.では、頚椎が動きにくいとはどういう状態でしょうか?
A.頚椎のカーブが崩れ、関節が捻じれていたり傾いたりしている状態といえます。
※筋肉の硬さというより、関節の硬さが原因になります。
その状態では、椎間板も硬くなっている所が必ずあるはずです。
椎間板の中には髄核とよばれる「コロ」のようなものが存在しています。
これが頚椎を動かす際に支点となります。
椎間板が圧迫されている状態では、そのコロも圧迫されているので、頚椎も動きにくくなります。
(筋骨格系のキネシオロジー 監訳者 嶋田 智明 医歯薬出版株式会社)
椎間板の髄核は球のようにふるまう
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
つまり、背骨の動きが悪い方は、椎間板も圧迫されて髄核も硬くなっているということになります。
※首のカーブや歪みの確認は、触診やレントゲンが確実ですが、頚椎の動きが悪い方は、首のカーブも崩れていると予測ができます。
Q.では、椎間板はどの状態で一番負担がかかるのでしょうか?
A.背骨が前に倒れる状態が一番の負担となります。
首であれば下を向いた状態。
胸椎であれば猫背で丸まった状態。
腰であれば中腰などで丸まった状態。
日常生活においてこのように負担をかけている場面がかならずあるはずです。
ちなみに、電車などに乗ると、皆さんが下を向いてスマホをみており異様な光景ではあります。
(私はいつも「皆さん首に負担をかけているなー」と思って拝見しております。)
下を向いた悪い姿勢
このように背骨が前に倒れるような状態で、潰されるような力が加わり、徐々にカーブは無くなっていきます。
このカーブが無くなった状態の首は「ストレートネック」と呼ばれています。
ストレートネックになると頭の重みを支えにくくなりますので、痛みやしびれ、他の部分の痛みなどの症状がでてきたりします。
負担が続くと、ストレートネックから更に変形が進んでいきます。
変形が進むと元の首のカーブに戻ることが困難になります。
今回のブログで一番お伝えしたかったことは、頚椎は前に傾けば傾くほど負担が増えていくということです。
日常生活において、工夫をして下を向く時間をできるだけ減らしてみてください。
頚椎にかかる負担は必ず変わります。
少しずつ生活習慣を変えてお身体を守ってあげてください。
将来のお身体は、今の使い方で変わってきます。
顔を上げた正しいスマホを見る姿勢
当院のパーマー系カイロプラクティックでは、椎間板にアプローチをし、首のカーブを改善する治療が可能です。
(残念ながら骨や軟骨自体が変形したものはもどせません…)
※頚椎のカーブは、いくら筋肉の治療しても改善しません。
関節の問題は、関節の治療により改善します。
関節の治療の必要性についてはこちら
背骨の早期治療により、骨や軟骨が変形するのを防ぎ、痛みのない健康的なお身体を手に入れましょう!
- 寝違えについてはこちら
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骨盤は歪む?歪まない?
かずあき鍼灸整骨院です。
骨盤について書きたいと思います。
巷でよく、「骨盤の歪み」や「骨盤矯正」という言葉を耳にします。
骨盤は本当に歪むのでしょうか?
私の意見といたしましては、骨盤は歪みます。1㎜、2㎜ですが確実にズレは存在しています。
ご存じない方も多いと思いますが、治療業界において骨盤が歪むか歪まないかは、昔からずっと議論されている問題なんです。
ちなみに、ここでいう「骨盤」とは、仙腸関節のことを指すのですが、関節というだけあって数ミリですが可動性があります。(この部分に関してはどなたも異論はないと思います。)
仙腸関節の関節面 (左:腸骨 右:仙骨)
(カパンジー機能解剖学 Ⅲ 脊椎・体幹・頭部 医歯薬出版株式会社)
仙腸関節を上から見た図
(仙腸関節の痛み 診断のつかない腰痛 村上 栄一 著 南江堂)
そもそも、カイロプラクティックのテクニックであるガンステッドテクニックでは、土台となる骨盤(仙腸関節)から背骨にかけてのズレを見つけてそれを矯正により改善させる治療法です。
骨盤はズレるという大前提のもとに成り立っているテクニックなのです。
しかし、なぜ骨盤が「歪む」のか「歪まない」のかの議論が起きているのでしょうか?
私は、共通言語がないことが原因だと思っています。
共通言語は「触診」だと考えています。
カイロプラクティックにおいて仙腸関節の動きを確認するときは、モーションパルペーション(動的触診)という検査を行います。
一つの骨に触れておき、動かしながら「関節の遊び」の部分の繊細な数ミリの動きを確認していきます。
こちらが微妙に動きを誘導しながら、腸骨や仙骨の可動性を見極めていきます。
これがとても難しくすぐには習得できません。何年も意識して触診の練習をしていないと骨盤のズレを見分けることは不可能です。
(※触診は簡単ではありません。私も最初は仙腸関節のズレを見分けられるのかと半信半疑でした。しかし、鉄工所の方が1ミリの100分の1⦅10ミクロン⦆の金属表面の凹凸を見分けられるのと同じで、鍛錬すれば可能になります。)
例えば、人間に変わって機械などで触診と同じことができるようになれば、それが共通言語になりうると思うのですが、今のところ存在しません。
他にもズレの見極めには、自動運動といい本人にも関節を動かしてもらい、触診とその可動域制限が一致しているかなども見ていきます。
また、ガンステッドテクニックにおいては、レントゲン写真を独自の読影法を用いてどのようにズレているか(変位:リスティングといいます)を分析します。
ちなみに、腸骨の歪み(変位)は8通り(片方のみで)、仙骨の歪み(変位)は6通り見分けています。
【腸骨の変位】
PI、AS、EX、IN、PI-EX、PI-IN、AS-IN、AS-EX
左仙腸関節 複合的に変位する方向の可能性を示している
(ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)
【仙骨の変位】
P-R、P-L、PI-R、PI-L、ベースポステリア、エイペックスポステリア
仙骨P-L変位
仙骨ベースポステリア変位
(ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)
あくまでも、仙腸関節は全身に約300は存在する関節(滑膜性・線維軟骨性・硝子軟骨性)の中の一つです。
仙腸関節に問題があれば機能改善をしなければいけませんし、問題がなければ特に治療をしなくてもいいと思います。
また、骨盤辺りが痛む(自覚症状)から問題があると決めつけません。
あくまでもズレがあるのか?関節の遊びがあるのか?などの他覚所見が重要になります。
私は、「骨盤は歪まない」と考える方の意見も理解できます。
これまでに、解剖実習を何回か経験し、ご献体の仙腸関節に触れてみたこともありますので、「これだけ動かなければ歪むことなんてないだろう」という考えになるのもわかります。
また、仙腸関節の動きを確認するときに、隣接する腰椎や股関節が連動して動くので、それらの動きなのか仙腸関節の動きなのかの判別がとても難しいのです。
確実に仙腸関節にだけ力を集めて、ほんの少しの関節の遊びを見極めないといけないのです。
しかし、それは不可能な事ではありません。臨床において、動的触診により仙腸関節の動きやズレを触知して、また矯正によりその機能不全を改善させていることも事実としてあります。
明らかにポストチェックの際に触診の変化を感じますし、自動運動での変化や症状の変化も感じていただいております。
(ガンステッドカイロプラクティック科学&芸術 ルネッサンスジャパン 塩川満章)
本当に骨盤が歪むのか信じられない方は、骨盤全体が写ったレントゲン写真をご持参の上ご来院ください。
触診やレントゲン分析をおこない詳しく説明をいたします。
全ての方に、問題になるほどの仙腸関節の歪みがあるわけではないですが、利き手や利き足がある限り左右差は少なからず存在していると思われます。
※ちなみに世間では、仙腸関節の検査や治療をしていないのに、「骨盤矯正」と宣伝している整体院・整骨院・カイロプラクティック院などが見受けられます。
当院で行う パーマー系カイロプラクティックでは、仙腸関節の問題を見極めてそれを解決することができます!
- 姿勢や歪みについて詳しくはこちら
- 関節の治療の必要性についてはこちら
身体の歪み・姿勢について
かずあき鍼灸整骨院です。
身体の歪み・姿勢について書きたいと思います。
まず、良い姿勢・悪い姿勢とはどのようなものを指すのでしょうか?
ずばり、良い姿勢とは、「重心線が理想的な位置を通っている姿勢」のことです。
簡単にいうと、背骨の真上に頭がしっかりと乗っている状態のことです。
左:頭が背骨に乗っている 右:頭が前方に位置している
(姿勢の本 山口 正貴 著 さくら舎)
ほとんどの悪い姿勢では、頭が前方に位置しており、背骨が前に倒れようとしています。(上の図の右)
背骨が前に倒れようとすると、椎間板や靭帯、筋肉にとても負担がかかります。
また、良い姿勢を別の言い方でいいますと、「アライメントが整列している姿勢」といえます。
【アライメントとは】
頭・体幹・骨盤・手足の配列(位置関係)のことです。
・ アライメントcheck ✔
①横から見た時に、耳たぶー肩ー大転子(股関節のあたり)ー膝のお皿のすぐ後ろー外くるぶしの少し前が垂直線上に並んでいますか?
②前から見た時に、眉間ー鼻ーあごー鎖骨のくぼみーおへそー恥骨ー両足の中心が垂直線上に並んでいますか?
(姿勢の本 山口 正貴 著 さくら舎)
理想的なアライメントの姿勢であれば、重心のブレが少なくなり姿勢を維持するための筋肉の負担や、エネルギー消費も最小となるといわれています。
要するに、良い姿勢であれば疲れにくく、関節にも物理的な負担がかかりにくくなり、傷めにくい身体になります。
逆に、悪い姿勢であれば消耗品である軟骨も摩耗しやすくなりますし、姿勢が不安定になるので、身体を支える筋肉にも負担がかかり疲れやすくなってしまいます。
※例えば、車においてホイールアライメント(タイヤの角度)がズレてくるとタイヤの片側だけがすり減って寿命が短くなったりします。
車のホイールアライメント
ちなみに、様々な症状の原因に姿勢の崩れや身体の歪みが関係しています。
左右の歪み(傾き)
今回のブログのキモなのですが、歪みにおいてまず最初に起きるのが前後の歪みなんです!
横から見た時のアライメントがまず崩れてきます。
前後の歪みの例
(ケンダル 筋機能とテスト 監訳 栢森 良二 西村書店)
なぜ前後がまず歪むのかと言いますと、頭はとても重たく(体重の約8%)構造上、常に前に倒れようとしているからです。
普段はそれを平衡感覚によるセンサーで感知して、倒れそうになれば筋肉で止めてくれています。
前後の歪みは元々の骨格の形状により、いくつかのタイプに分けられますが、どの不良姿勢でも頭は前方に位置しています。
これはつまり、背骨のS字弯曲が崩れているということなのです。
背骨のS字弯曲があることでスプリング(ばね)となり頭の重みを逃がしてくれます。弯曲を作っているのは椎間板です。
(腰痛を治すからだの使い方 伊藤 和磨 著 池田書店)
特に頚椎と腰椎は、生理的前弯といって前に反ったカーブになってますが、ここに負担がかかりやすく、そのカーブが崩れやすいのです。
下を向くことが多い場合は、頚椎のカーブがやられてしまいストレートネックになってしまいます。
前屈みなど中腰が多い場合は、腰椎のカーブがやられてしまいフラットバックになったり、逆に反りすぎることで反り腰になる方もいます。
左右の傾きが出る前に必ず、背骨のS字弯曲が崩れて前後の不具合がおきているはずです。
背骨の弯曲が崩れて、椎間板にかかる圧力が増しますと、上の背骨と下の背骨の連結(椎間関節)が弱くなります。
椎間関節は背骨の後ろで連結している
(腰痛を治すからだの使い方 伊藤 和磨 著 池田書店)
連結が弱くなると、捻じれが起こります。
背骨が捻じれてくると今度は傾きが出てくるのです。
このようにして、姿勢はどんどん複雑に歪んでいくことになります…。
最後に、姿勢は見た目の印象に大きな影響を与えます。
姿勢が良ければ健康的で若々しく見えます。スタイルも良くなります。
そうです、健康と美しさは表裏一体なんです。
いつまでも若々しくありたい方は、骨組みのケアをして姿勢や椎間板を良い状態に維持していきましょう。
パーマー系カイロプラクティックでは、椎間板の機能を改善させて背骨のカーブを正常に近づけることを行います。
また、当院では、お一人おひとりに合った姿勢指導も行っています。
手遅れになる前に早めのケアをお勧めいたします。
(骨や軟骨など変形してしまったら形を変えることはできません)
- 関節の治療の必要性についてはこちら
- 骨盤の歪みについてはこちら